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価値を守る デジタル推進

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vol.

03

メディア開発局

局長 岡田 浩一 氏

メディア開発局

部長 石井 将文 氏

デジタル世代の架け橋となるニュースアプリを。老舗地方新聞社の価値を最大化する、ユーザー視点を重視したデジタル活用。

Story of IDEA

130年以上にわたり、広島を中心とした中国地方の報道を支えてきた中国新聞社。新たな挑戦として、デジタル世代のライフスタイルに合わせたニュースアプリ「みみみ」をリリースしました。地域に根付く地方新聞社だからこそやれることは何かーー。模索から始まったプロジェクトに、フェンリルはサービスデザインのパートナーとして参画。デジタル世代とのタッチポイントとしてニュースアプリの開発に至った経緯から、サービスを成長させていくグロース活動まで、フェンリルが伴走したプロジェクトを振り返っていただきました。

開発の経緯/背景

THEME 01

開発の経緯/背景

“ユーザーファースト”を企画の軸に、 革新的なサービスを生み出す。
───まず、フェンリルとの出会いについてお聞かせいただけますか

石井

2020年頃、中国新聞社のデジタル会員向けサービス「ちゅーピーくらぶ」の会員向けアプリ開発に当たって、ベンダーさんを探す中でお問い合わせをしたのが最初ですね。ただその時は、収益化できるアプリではなかったので開発費用面でミスマッチということでお取引には至りませんでした。

ですが、すぐに話を聞きに来てくださったり誠実にご対応いただいたことが印象的だったこともあり、2022年度のミッションとして「ニュースアプリを新たにつくる」という動きが本格化した際に、再度お声がけしました。

───フェンリルだけではなくいくつかのベンダーとやりとりされていたと思うのですが、どういったところを重視されていたのでしょうか?

石井

最初は「ネイティブアプリをつくる」という手段からのスタートだったので、そこから発展してもらえるベンダーさんと一緒にやりたいという気持ちがありました。企画フェーズから伴走してもらえるようなところがいいなと。

われわれの中で最適解を持っている状態ではなかったですし、社内で考えたことだけでは革新的なものにならないだろうという考えもあったので。

岡田

本格的にスタートする前から、他部署とのブレストはしていました。「ライフステージに合ったもの」「デジタル展開できるもの」という意見は出ていましたが、具体的なアイデアはまだなかったと思います。

───ベンダー選定の段階ではどのようなアイデアが出ていたのでしょうか?

岡田

ベンダーさんも5社ほどからお話を聞いてさまざまなアイデアをいただいたんですけども、フェンリルさんは読者アンケートなどを用いて「ユーザーの声を聞く」という提案をしていただきました。

突飛な企画を出してもらえそうなベンダーさんもいらっしゃったんですが、「ユーザーの声」を大切にしていただけるという姿勢、つくり方の面でフェンリルさんと一緒にやっていきたいと感じました。自分だけではなく、上層部の意見としても「ユーザーファースト」であることは好印象でしたし、実績もあってきちんと進めていただけそうという安心感もありましたね。

石井

社内の意見だけでつくられていくのではなくユーザーの声を反映したものにしたいと思っていたので、フェンリルさんの提案に魅力を感じました。


あとは、現場でコミュニケーションする方がどれだけ寄り添って強くコミットいただけるかというのはすごく考えました。自分が窓口となってやっていくに当たって、私自身がやりやすいと感じるベンダーさんとやっていきたいというのもあったんです。

ですので、コミュニケーション面でも一つ一つ丁寧に対応いただけたフェンリルさんにお願いすることにしました。

───フェンリルを選んでいただいて、実際にプロジェクトが始まるまでに社内で懸念されていたことや不安に思っていたことなどはありましたか?

石井

これまで大規模なアプリ開発の経験がなかったので、率直なところ費用面で高いのではないかという話は出ていました。企画フェーズの段階でここまでの費用ということは、トータルでかかる費用はどれほどなんだろうと…。ただ、提案は魅力的でしたし相場があまり分からないというのもあったので、都度お見積りをいただきつつ進めていましたね。

岡田

地方紙がつくるアプリは前例がほぼなかったので、そもそもどんなアプリになるのだろうか、という不安はありました。ですが、企業としての体力があるうちに次の打手を考えるというのが経営陣のモチベーションになっていて、われわれも「今、着手しなければならない」という思いを強く持っていました。

不安や懸念を感じながらのスタートではありましたが、プロジェクト自体に反対する声はなかったです。

───ベンダーコントロールはどのようにされていたのでしょうか?

石井

私の方で、ベンダーさんとのコミュニケーションや社内の調整をしていました。社外の方とこうしたやりとりをするのは初めてだったので、通常の進め方というのは分かりませんが、コミュニケーション面ではかなり入り込んでさせてもらったと思います。結果的にいろんな面で着実に進めていくことができたのかなと感じています。

岡田

妥協をしないという石井の振る舞いは、プロジェクトを大きく動かしてくれたと思っていますよ。

石井

ありがとうございます。企画段階ではまだメンバーも少なくて、私たちを含めた4人で進めていました。それぞれの強みを生かしながら取り組んではいましたが、当初はけっこう大変でしたよね。

岡田

そうですね。でも、コミュニケーションにかける時間は厭わないチームで、それは最初から最後まで変わらずにチームの強みになっていたと思います。

とはいえ、社内のリソースが足りていないという中で、フェンリルさんと一緒にできたことは非常に大きかったです。私たちが大切にしているコミュニケーションを尊重していただけたので。

石井

技術的な知識がほとんどなかった中で、専門用語が理解できないなどあればすぐに聞ける関係を築けていましたよね。いつも自分ごとのように真摯に考えていただけたのもありがたかったです。ある程度決まったフォーマットや制約があるプロジェクトではなく、全くゼロの状態からのスタートでしたから。

完成までの道のり

THEME 02

完成までの道のり

コミュニケーションで導いた、 新聞社の強みを生かすアプリの誕生。
───最初の段階で、フェンリルに求めていたことは何かございますか?

石井

どこに辿り着くのか分からないまま目の前にあることだけをこなす、という風にはしたくなかったので、この先には何があるのかというのを出してもらいながら進めていきました。その方が、今取り組んでいることへの意味を見いだせると思ったので。

そのためにも、こちら側からは包み隠さず情報をお伝えして、われわれの強み、可能性を見いだしてもらえるようなコミュニケーションを意識していました。そのおかげで、お互い分からないことをそのままにせず、都度クリアにしながら取り組めたと思っています。

岡田

私自身はデジタルにほとんど触れてこなかったこともあって思い込みも強く、プロジェクトスタート直後はIT産業の人や、形のないものに対する不信感みたいなものも正直ありました。

───そうした不安をどのように解消されたのでしょうか?

岡田

フェンリルの方は皆さん柔らかい人が多くて“IT”という圧を感じることもなく、交流するうちにネガティブなイメージは薄らいでいきましたが、決定的だったのは、われわれも同席させてもらったユーザーインタビューです。

そこで、イドバタ※の骨格になるような「ユーザーの疑問を記者が一緒に考えるとしたら」という質問に、ユーザーの方が記者に対して価値を感じてくださっているのを目の当たりにしたんです。そういう生の声を聞いて、胸が熱くなったことを覚えています。

※記者がユーザーによって投稿された疑問を一緒に考える機能

石井

「記者の方がコミュニケーションしてくれるんですか?!」という、読者のポジティブな驚きに触れたことで、覚悟が決まったところはありますよね。そうした反応の裏にある「中国新聞はうそをつかない」という読者の方の思いに応えたいと思いました。

ユーザーインタビューの対象者は年齢も性別もさまざまでしたが、フェンリルの皆さんはどの方にも丁寧にお話しを聞かれていて、そうした一つ一つの姿勢にも信頼が増していきました。

───ユーザーインタビュー以降、プロジェクトの方向性はどう固まっていったのでしょうか

岡田

個人的にはニュースアプリのコンテンツといっても、生活情報であったり、クーポンの配信のようなものになるのではないかと当初は思っていたんです。ですが、フェンリルさんからの提案は、新聞社が提供するアプリとして、記者やニュースの価値を大切にしてもらえるものでした。

石井

「こたえる新聞」というコンセプトをご提案いただいて、新聞社としてのあり方、われわれの思っていることや進みたい方向を理解してもらえていると感じることができました。

岡田

ただ、実際にイドバタ機能の提案があったときは、「本当にできるのか?」と不安にはなりました。実現できたら唯一無二であることは間違いないけど、大変だというのも予想できたので。でも、それ以上に地方紙にしかできない可能性というのも大いに感じました。

───現場への負担も想像される提案でもあったと思いますが、懸念する意見はなかったのでしょうか

岡田

やっぱり最初はありましたよ。「記者が正しい発信をする」ということを担保するわけですから責任感を伴いますし、記者が個人として露出することの安全性への懸念であったり、さまざまなハードルがあったりしますから。

長い時間をかけて企画を練ってきたわれわれと、突然アサインされた編集局(記者)とでは温度差があるのも当然です。なぜやりたいのかというのをしっかり伝えながら理解者を増やしていきました。

石井

「面白そう」と思ってもらえるまで時間はかかりましたが、編集局の不安や懸念は理解できたので、そこは丁寧に向き合うことを徹底していましたね。

───企画フェーズから要件定義フェーズへの移行はスムーズでしたか?

石井

正直に言うと、最初はちょっと難しかったです。

費用面やスケジュールなど現実的なところに当たってしまったというのもありますが、企画フェーズはみんなで夢を語りながらとても楽しい時間だったので、新しくアサインされた開発のメンバーとの温度差を感じてしまったというか。

岡田

作業の手順も理解できていなかったですよね。要件定義の中でアプリ、ウェブ、バックエンドで分かれている開発も、自分たちにとっては一括りのものという認識でしたが、実際は全部違う領域なんだということとか。

石井

話している内容がどの領域に当たるのかというのも最初は分からなくて、今思えば軽はずみなことを言ってしまっていたなと思います。本当の意味での「アプリをつくる」という体験をさせてもらって、良い勉強になりました。

石井

発散させることが大切だった企画フェーズと、しっかりと方向性を固めていかないといけない要件定義フェーズの切り替えができていなかったんですよね。これではいけないなと気持ちを切り替えて、フェンリルさんに旗振りいただきながら軌道修正をしていきました。


最初こそすれ違いのようになってしまったのですが、それからは私も不安に思うことは率直にお伝えするようにしました。フェンリルさん側もそれを真摯に受け止めてくれて、より一層関係が築けたと思っています。

こうしたプロジェクトでは社内の折り合いがつかずに難航するケースも多いと聞きましたが、社内でも丁寧に説明しながらスムーズに進められるように努めていました。

───デザイン面のご提案で印象にのこっていることはありますか?

石井

まず「みみみ※」というネーミングには驚かされました。普通は「中国新聞」が入ると思うんですけど、全くないですからすごいですよね(笑)。

※「みつける、みになる、みんなでつくる」という意味が込められている

あとはやっぱり、われわれだけでつくっていたら出てこないようなビジュアルをたくさん提案いただけたことでしょうか。“新聞社”という入り口が「自分と距離がある」と思われてしまう若い世代の方との接点をつくることができたと思いますし、既存読者の方にとっても「新聞社がこういうものをつくるのか」という新しい出会いになったと考えています。

岡田

見栄えだけではなくて、ユーザーの体験を考えていただいたのを間近で見ていて、デザインというのは見た目のことだけではないというのが勉強になりました。


あと、ロゴに使う「み」を手書きした2380文字の中から最も良い「み」を選んでいたのも印象に残っています。

石井

「シンプルにするところは徹底的にシンプルにする」というのもフェンリルさんの得意とされているところだと感じていました。みみみはニュースの中身が中心になるので、伝えたいところが一番フォーカスされるようなデザイン、構成になるように細かいところまで調整いただきました。

───ビジュアルの共有も含めて、どのようにやりとりをしていました?

石井

Figmaなどのデザインツール上でやりとりさせてもらったんですが、それも新しい発見がありました。目に見えるもので説明してもらえるので分かりやすかったですし、ミーティング中にリアルタイムで修正していただくこともあって、全体を通して効率よく進められました。


発散→収束→ユーザー調査、といったプロセスを経験すること自体が初めてでイメージし切れないことが多かったんですが、都度しっかり資料にまとめて提示いただいて、丁寧に説明してくれたこともありがたかったです。

リリース後の効果

THEME 03

リリース後の効果

業界の課題に向き合いながら、 デジタルを通した挑戦を続けていく。
───無事にリリースを終えての所感をお聞きしたいです

石井

まずは期日通りにリリースできて、大きなバグもなくスタートできたことも素晴らしかったと思っています。

ですが「リリースして終了」みたいなプロダクトは良くないと思っているので、アップデートすることでより使いやすくなっていく、ユーザーが求めるものに進化させたいです。ビジネスとして利益を生みながら運用していくということも考えなければなりませんし。

岡田

それは本当に難しいですよね。良いものだから必ず売れるというわけではないんだなと実感しています。

実は新聞社の人間は物を売るという経験をした人は少なくて、ノウハウが豊富にあるわけではないんです。そうした中で、「アプリを売る」という未経験の挑戦もしているなと。

岡田

私自身は、売るためにはあらゆる手段を講じる必要があると思っていますが、石井は「アプリの世界観を守る」ということにも意義を感じているだろうし、社内でも議論は起こるだろうとは思っています。でも、そのたびにフェンリルさんも含めてチームで検討しながら良い結果になるように育てていきたいです。

───広告などのプロモーションについて、例えば地元の広告代理店などに依頼する選択もあった中で、フェンリルにお任せいただいた理由は何でしょうか?

石井

デザインの延長線上にあるというのが一番大きかったです。デザインのことだけではなくて、アプリに注いでいる思いやわれわれの理念などいろんなことを理解してもらっていたので。一から別の代理店にお願いするよりもスムーズだと思いました。

岡田

外部向けプロモーションだけではなく、内部に向けた説明会を加味していただけたのも大きかったです。アプリをつくっていることは知っているけど、内容を詳しく知らないという営業メンバーなども集めて、スタートに向けて意識共有できたのは本当によかったです。

プロの視点、ユーザー調査を生かしたものになっているという説得力もあったのではないかと思います。

───「みみみ」はグッドデザイン賞を受賞し、ベスト100にも選ばれました。率直にどのような感想を持たれていますか?

石井

受賞の一報を聞いたときは、まだメンバー以外には口外できない状況だったので、早く伝えたくてうずうずしていました(笑)。

現場の喜びはもちろんですし、編集局のメンバーにも共有して分かち合いました。「認められた」ということに胸が熱くなって泣きそうになるねと。

岡田

社長に報告した時も大変喜んでいて、プロジェクトに対して社長賞も受賞してチームの士気が上がりました。グッドデザイン賞の受賞に関しては、この業界にはさまざまな賞があるものの、新聞業界が新聞業界を評価するというものが多いので、外部の方から評価いただいたことにも意味があると思っています。

───このような評価を得た要因はどのようにお考えですか?

岡田

これまで地方紙にはできなかったような大胆な挑戦をした結果だと捉えています。

審査において「革新的な架け橋」というコメントをいただけたことで、外から見てくれた方にも評価されているという説得力になったと思います。

賞を取れたことで社内での関心も増して、われわれの独りよがりではないということが証明されたようで、チームとしても喜ばしいです。

石井

フラットな目線で外部の方が見て「地方紙がこのアプリをつくる価値」を評価してもらえたことが本当にうれしかったですね。リリースまで2年以上かかっていて、今もまだ走っている最中ではありますけど、ひとつのゴールを迎えることができたのかなと。

中国新聞社内だけでつくっていたら絶対にできなかったことで、フェンリルさんに常に前向きに伴走してもらえて、ワンチームで挑めたことが大きかったと思っています。

───最後に、「みみみ」の展望についてお聞かせいただけますか

岡田

まずは普及させることが第一で、ここからがまた新しいチャレンジだと思っています。

新聞から遠ざかっている方々に、いかに正確なニュースを届けるかというのは、われわれだけではなく業界全体が問われている課題になっています。「みみみ」が、その課題を解決することができるのであれば、とても有意義なことだと感じますし、新聞社の価値を届けられる新しい手法だと思っています。


先ほども言いましたが、そのための方法は問わないと個人的には思っているので、「みみみ」の世界観を守りながら認知をどのように上げていくのかは大きな課題ですね。

石井

グッドデザイン賞をはじめ、うれしい評価をいただいている中で、よりいっそう普及させなければならないと感じています。そのためには、新しいコンテンツを増やしていくというより、使い心地の面も改善して、細部を磨いていくことに力を注ぐ必要があるのかなと。

今あるものを存分に生かせるように、社内でアプリのポテンシャルを上げていくことが必要だと考えています。


世の中のニュース離れ、新聞離れが進む中で、われわれが置かれている状況は楽観視できるものではないと思っています。だからこそまだ体力があるうちに、紙を大切にしながらデジタルを推進しなければならないし、自分たちでデジタルを使いこなせるようにしていきたいです。

COLUMN Design with Tech

フェンリル担当者に聞く開発のポイント

立場を超えて一心同体で生み出した ニュースアプリ

プロジェクト概要

デジタル世代のライフスタイルに合わせたニュースアプリ「みみみ」。中国新聞の本質的な価値を再発見し、サービス成長の仕組みづくりからプロモーションまでを幅広く支援しました。クライアントと開発会社という枠を超えて、ワンチームで進めることを重要視したプロジェクトです。

#中国新聞 #ニュースアプリ #サービス

「新聞」という枠にとらわれない

地方紙だからこそ生み出せる新しい価値とは何かーー。この問いに対し、中国新聞とフェンリルは「こたえる新聞」というコンセプトを掲げ、取り組みを進めてきました。
デジタル世代に寄り添いながら、地域の声に応える新しいニュース体験を実現するためには、これまでの枠にとらわれない「新聞らしくない」デザインや仕組みが必要でした。

例えば、記者とユーザーが対話できる「イドバタ」や、ユニークな表現を生かした「コレだけ」といった機能は、これまでの新聞にはなかった革新性を持っています。

こうした挑戦には多くの議論が必要でしたが、私たちは企画段階から対等な立場でアイデアを出し合い、互いの熱意をぶつけ合って意欲を持って向き合ってきました。「良いサービスを生み出したい」という共通の目標が、プロジェクトを支える大きな力となったのです。

地域の声を形に、

さまざまな人を巻き込みながら作り上げたサービス

「みみみ」の背景には、地域住民の声を丁寧に拾い上げた調査があります。
SNSにフェイクニュースがあふれる中、中国新聞の記者たちに寄せられる信頼や期待の声が、私たちにとって大きな原動力になりました。

記者たちが地域に根差した視点で誠実に取材をする姿勢は、多くの方に安心感と共感をもたらしています。この信頼に応える形で、新しいニュース体験を具体化しました。

また、サービスを形にする上で、中国新聞に関わる多くの方々との協力が欠かせませんでした。400名以上が参加した2社共同の社内説明会では、社員の皆さんに向けてサービスの内容をご紹介。また、ユーザー調査で拾い上げた地域の声、中国新聞への信頼や期待の声を、直接届けることができました。

この場でプロジェクトの意義を共有し、多くの方に理解いただけたことは大きな意味がありました。そして、サービスの表層だけでなく、それを動かすあらゆる領域に関わることができた経験は、フェンリルにとってもかけがえのない財産です。

「伝統的なジャーナリズムに新しい価値を創造」

グッドデザイン・ベスト100を受賞

「みみみ」は2024年にグッドデザイン・ベスト100を受賞し、「私の選んだ一品 2024」にも選出されました。選評では、地方新聞という伝統的な枠組みの中で、デジタル時代に適応した新しい価値を生み出した点が評価されました。

この成果は、企画段階から中国新聞とフェンリルが一体となり、「中国新聞の価値とは何か」を徹底的に考え抜いた結果です。
中国新聞が130年にわたって真摯に取り組んできた地域報道を、デジタル世代に応える新しい形を模索したこの挑戦が、地域とデジタルを結ぶ架け橋となることを目指しました。

「みみみ」がこれからも進化し続け、地域に寄り添ったニュースサービスのモデルとなることを願っています。

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